鹿背山城何でも城う(知ろう)会
- 場所時間 西念寺 9時~12時
- 服 装 作業する服装 弁当水筒持参
2016/2/3
— posted by kanri at 06:34 pm
2016/1/29
こんにちは。鹿背山城プロジェクトチームのKです。
昨年の話になりますが、論文雑誌『歴史評論』の2015年11月号に「城郭研究の現在」というタイトルで「杉山城問題」を扱った論文が掲載されていることを知り、取り寄せて読んでみました。筆者は竹井英文さんという戦国・織豊期の政治史を専門にする研究者で、関東を中心に城郭研究者としても著名な方の様です。
「杉山城問題」を極簡単に説明すると「埼玉県にある杉山城の現存遺構は、地表面観察を元にした縄張り研究によって戦国時代後期に北条氏が築城した城の姿であると考えられてきたが、2002年以降の発掘調査の成果から導かれた遺構の年代は、縄張り研究の成果と約半世紀のズレがあり、築城者も山内上杉氏(関東管領家)に関わる勢力である可能性が高いと評価された。」という問題、或いはこの「杉山城での縄張り研究と考古学による城郭の年代や築城主体の評価のズレ」に端を発した城郭研究に関わる各分野間の論争のことです。
会員諸兄は既にご承知の通り、鹿背山城でも「『昨年度までの6次に渡る発掘調査の成果から考古学的に導かれた鹿背山城が機能した年代』と、『従来から縄張り研究によって通説となっていた遺構の最終年代』が一致しない。」ことが昨年の「鹿背山城なんでも知ろう連続講座」で森嶋康夫さんによって指摘され、いわば「鹿背山城問題」に直面することになりました。
先に紹介した論文で竹井さんは、城郭研究に関して縄張り研究、考古学、文献史学それぞれが抱える諸問題を列挙され、「杉山城問題」とそれをとりまく学界の動向を公平な視点から概説されており、当然、同様の問題を抱える鹿背山城について私たちが学ぶ際にも参考になると思いましたのでお薦め致します。※「杉山城問題」に関する上記の説明は私(K)の知識と理解の範囲内で極簡単に記述しましたので、誤解のある恐れがありますので、つきましては、詳しく正しくご理解頂くためにも、竹井さんの論文やそこで紹介されている先行論文等をご参照下さい。
※「歴史評論」2015年11月号の入手・閲覧方法は、 発行者である一般財団法人 歴史科学協議会 の公式サイトでご確認ください。一般財団法人 歴史科学協議会
の公式サイト⇒ http://www.maroon.dti.ne.jp/rekikakyo/
— posted by 小大豆 at 10:52 pm
2016/1/18
こんにちは。鹿背山城プロジェクトチームのKです。
1月11日(月・祝)に毎年恒例の城郭見学会を開催しました。
例年は中世の山城を訪ねてきましたが今年は少し趣向が変わり、少し時代が下った豊臣時代の山城、滋賀県甲賀市にある水口岡山城跡と、さらに下って江戸時代の水口城跡の2ヶ所を訪ねました。
午前中は甲賀市の施設をお借りして、毎回お世話になっております、滋賀県立大学の中井均先生に事前講義をして頂きました。
現地で城の構造を観るだけでなく、その城がいつ頃どの様な場所にどの勢力によって何の為に築かれ、どんな事件があり、考古学的な調査ではどのようなことが分かっているのか・・・といったことを予め知っておくことで、現地での理解が何倍にも深まります。
更に講義後に水口歴史民俗資料館の展示を通して水口について学ぶ時間も設けました。
午後は水口城跡に場所をお借りして昼食を摂った後、いよいよ見学開始。
まずは水口城の出丸跡の隅に櫓を模して建てられている水口城資料館を見学した後、水口城本丸跡の外周を一周しながら櫓台や水堀、それらを固める石垣を観て巡わりました。
水口城跡から水口岡山城跡までの移動はかつての東海道筋を歩き、水口岡山城時代の城下町の名残と考えられている特徴的な三筋町で知られる近世の水口の宿場町の界隈を通り、そこから水口岡山城の大手口桝形跡の推定地を経て、現在は古城山と呼ばれる水口岡山城跡に登りました。
約2時間かけて山上の曲輪跡を巡り、石垣や竪堀、堀切、食い違い土塁などの遺構ごとに中井先生から様々な解説をして頂き、また、発掘が行われた場所ではその成果についても解説して頂きました。
穏やかな気候にも恵まれ、鹿背山城をはじめとした中世の土の城とはまた違う、織豊期や近世の城の面白さをジックリと味わった一日でした。
今回の見学会では水口図書館、水口歴史民俗資料館、水口城資料館など現地の皆様に大変お世話になりました。有難うございました。
なお、水口岡山城や水口城について詳しくお知りになりたい場合は以下の様な書籍や冊子が参考になると思いますのでご紹介しておきます。
・甲賀市史【第7巻】甲賀の城(発行:甲賀市)
・近江の山城ベスト50を歩く(編:中井均/発行:サンライズ出版)
・図解 近畿の城郭Ⅰ(編:城郭談話会/監修:中井均/発行:戎光祥出版)
・水口岡山城跡-秀吉政権要の城-(発行:甲賀市教育委員会)
— posted by 小大豆 at 10:27 pm
1月17日に城整備と午後にプロジェクトチーム会議を行いしました。
午前中の城整備は8名の参加がし、鐘とのろし大実験の鐘を吊るす台を竹で組み立てました。
その後、楢枯れで立ち枯れている木を切り倒してもらいました。
午後からの会議は、2月14日の鐘とのろし大実験の打ち合わせを行いました。
のろし大実験に協力していただける団体(鹿背山元気プロジェクト・鹿背山倶楽部)の代表の方を含め14名が参加したました。
実験の内容の説明があり、観測場所と担当が決まりました。
当日はお昼に豚汁を提供するのでその準備についても確認がされました。
— posted by kanri at 11:42 am
2015/12/25
こんにちは。鹿背山城プロジェクトチームのKです。
先日、奈良市埋蔵文化財調査センターで開催中の特別展『近世奈良の開幕ー多聞城と郡山城ー』 を観てきました。
タイトルにある多聞城や郡山城だけでなく、奈良市内や周辺にある、古市城、筒井城、元興寺、奈良奉行所などの中近世の城郭、寺院、町の遺跡での発掘調査成果が紹介されています。
寺院との関わりが深い奈良にも関わらず城郭遺跡から見つかる石仏や五輪塔からの転用石材、歴代の城主それぞれの家紋があしらわれた郡山城の軒瓦、奈良の町の遺跡から見つかる生活や生産、商業に関わる土器類や銭など、様々な出土遺物の実物が展示され、遺跡の写真や解説のパネルも豊富で、戦国時代や江戸時代の奈良や周辺地域の様子の一端を垣間見ることが出来ました。
会期は12月28日(月)までと残り数日、年の瀬で慌ただしくもありますが、あまり時間が無い場合でも展示内容がギッシリつまったパンフレットが無料で頂けますので、木津から車で約15分、是非、足を運んでみてください。
※土・日・祝が休館日ですのでお気をつけください。
— posted by 小大豆 at 12:15 am
Comments