こんにちは。会員Kです。
前回の記事でお知らせした通り、3月9日(土)に木津川市教育委員会さんによる鹿背山城跡第5次発掘調査の現地説明会が行われ、参加させて頂きましたので、今回はその発掘調査の簡単な内容と現地説明会の様子をご紹介します。
鹿背山城跡では平成20年から1年に一度、連続して発掘調査が行われており、平成24年度が5年目となるため“第5次”ということになります。
第5次調査の主な調査地は、鹿背山城内の南東の峰上にある曲輪Ⅲ‐1の北側にある堀切と、南側の一段低い曲輪(曲輪Ⅲ‐2)でした。
曲輪Ⅲ‐1では昨年度に調査(鹿背山城跡第4次調査)が行われており、その際には曲輪の平坦面一杯に十字状のトレンチ(発掘調査のために地面を掘り下げる部分)を設けて調査が行われ、この曲輪のある峰が本来の地形から大きく造成されていることが確認されています。
今回の調査地は、曲輪Ⅲ‐1の斜面を下った昨年度調査地の延長線上に設けられており、昨年度の調査と併せて考えることで、曲輪Ⅲ‐1とその周辺がどのように造成されているのかを、より明瞭に理解できたように感じました。
それでは、調査地と説明会の様子をご紹介したいと思います。が、文章だけでお伝えするのは私の様な素人には困難なため、写真を使ってご紹介します。曲輪Ⅲ‐1北直下にある堀切の調査地(501tr)。写真の奥が曲輪Ⅲの切岸(人工的に急角度にした斜面)。近づかないと底が見えないほど深く鋭く、底が狭まった薬研状の堀切です。底と北側尾根上の比高は約4.6mあるそうです。
今回の現地説明会は天候に恵まれ、少し山を登ると汗ばむような陽気の中で行われたこともあってか60人以上の方が参加されました。昨年は雨で中止になりましたが、一昨年を上回る参加者数だったそうです。
過去の調査報告書や現地説明会資料にも記されている通り、平成20年度からの鹿背山城跡発掘調査は5ヵ年計画でした。しかし、帰りに城麓の西念寺に設置された受付で伺ったところ、大変うれしいことに、来年度に第6次の調査が予定されているそうです。具体的な調査地などは調査委員会を通して決められることになるのでしょうが、今後どのような新しい発見があるのか、今から楽しみです。
今回の現地説明会にお越しになれなかった方にも、次の機会には是非、普段は堆積した土に埋もれて観ることのできない、「鹿背山城の真の姿」をご覧いただければと思います。
参考文献
・鹿背山城跡第5次発掘調査 現地説明会資料
(平成24年度 木津川市埋蔵文化財資料 No.2)/木津川市教育委員会
・鹿背山城跡第4次発掘調査 現地説明会資料
(平成23年度 木津川市埋蔵文化財資料 No.2)/木津川市教育委員会
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